業務用食品洗浄機及び工業用洗浄機を開発・販売するショウワが、新型コロナウイルス感染症対策のために、2020年3月よりマスク製造を開始した。ショウワの新しいチャレンジを支えたのが、ロボットによる自動化だった。
課題:手作業による非効率な作業・不良品の頻出
生産開始時は人の手による作業が多く、リードタイムがかかり仕掛品が膨れがちであった。その上、不良品も頻出した。当時の生産能力は月に150万枚程度だったが、1カ月の注文数は200万枚を優に超えていたため、生産体制を抜本的に見直す必要があった。
ソリューション:マスクの製造から検査、包装、梱包までの工程を全自動化
生産能力を増強するためには、マスクの製造から検査、包装、梱包までの全工程を極力人手をかけずに全自動化する必要があった。
不織布を裁断し、重ね合わせ、折り目をつけ、ノーズフィットワイヤーと耳紐を取り付け、不具合や欠陥が無いかをカメラで検査し、一枚一枚をビニールで包装し、ロット分ごとに箱へ梱包する。この一連の作業を自動化することで、これまで50名ほど必要だった人員は大幅に削減することができ、生産量も月産200万〜300万枚のマスク製造が可能になった。さらに細かな改善を重ねた結果、いまや最大月産900万枚以上の製造にも対応できるという。
川崎重工の高速ピッキングロボット「Yシリーズ」も、このラインで24時間活躍しており、搬送にかかっていた人員は10名から1名へと削減。合理化に大きく寄与している。パラレルリンク型ロボットは、UFOキャッチャーを思わせる細いアームを使い、素早く正確に搬送することができるのが特長で、食品業界で数多く使われている。スピードと正確さが求められるマスク製造にも適している。
お客様の声
duAroも含めて、多関節ロボットは洗浄機周りや調理補助ロボット開発の現場などでたくさん使っていますが、マスク製造にはスピードが必要。能力的に考えて、パラレルリンク型ロボットを導入するのは必然でした。
適用動画
ピッキングロボットが稼働している様子