川崎重工業ロボットディビジョン https://kawasakirobotics.com/jp/ Fri, 06 Oct 2023 07:47:03 +0000 ja hourly 1 https://www.altis-dxp.com/?v=6.2.4 https://kawasakirobotics.com/tachyon/sites/3/2022/02/cropped-site-icon.png?fit=32%2C32 川崎重工業ロボットディビジョン https://kawasakirobotics.com/jp/ 32 32 大田区民に向けた親子参加型イベントを共同開催しました。 https://kawasakirobotics.com/jp/blog/20230803_event/ Thu, 03 Aug 2023 02:00:00 +0000 urn:uuid:2e4146e3-37a7-4291-8c8d-0765ddc7a141 川崎重工は、7月22日(土)・23日(日)の二日間、東京・羽田の「HANEDA INNOVATION CITY」において、大田区の小学生と保護者向けの親子参加型イベント「川崎重工×きらぼし銀行presents ロボットエンジニアになろう!」を開催。事前に募集した大田区内の小学3~6年生及びその保護者30組が参加しました。

 本イベントは、「親子で学べる夏休みイベント」として企画され、川崎重工は子供向けプログラムを提供しました。ロボットの仕事や仕組みを学んだあと、産業用ロボット(小型汎用ロボットRS003N)を操作して課題に挑戦しました。

この企画は、川崎重工、きらぼし銀行、ICMGの3社が「羽田共創プロジェクト」※1の一環として企画し、大田区教育委員会の後援によって実現しました。川崎重工が提供するプログラムのほかには、きらぼし銀行が保護者向けに、子供の進学にかかる教育費用や“人生100年時代”に必要な備えについて学ぶ「金融教育プログラム」を提供しました。

保護者からは「本物の機械に触れて動かす体験をしたことがなかったので今回のロボットエンジニアに参加できてとてもよかったです。制服を着ている姿もいつもより成長しているように見えました。」など、有意義な時間を過ごせた、というコメントを多くいただきました。

川崎重工は、今後も同プロジェクトの活動を通し、「スマートエアポートシティ」、「カーボンニュートラル」、「地方創生」等、社会課題解決や変革をテーマに、大企業、中小企業、スタートアップ企業、行政、自治体等と共創します。そして、首都圏の空の玄関口である羽田エリアから世界に向けて、社会変革イノベーションの創造に邁進していきます。

実施概要
イベント名:川崎重工×きらぼし presents 「ロボットエンジニアになろう!」
日 時:2023年7月22日(土)~23日(日)10:30~11:45、13:30~14:45、15:30~16:45の各日3回
開催場所:羽田イノベーションシティZONE K 2F 「PiO Park」
企 画:株式会社ICMG
主 催:川崎重工業株式会社、株式会社きらぼし銀行
後 援:大田区教育委員会

※1)羽田共創プロジェクトについて
川崎重工、きらぼし銀行、ICMGの3社が羽田空港(日本空港ビルデング・羽田未来総合研究所)および大田区と共創し、さまざまな社会課題解決に向け、実証実験、社会実装といった目に見える形の具現化を重ねていくことで、未来につながるエコシステム(持続可能なサービスの生態系)を構築していくことを目指すプロジェクトです。
さらに、同プロジェクトの一環で、昨年きらぼし銀行がスタートアップや中小企業成長支援のためのインキュベーション施設として開所した「KicSpase HANEDA」と相互連携することで、大田区の中小企業をはじめ、人手不足を課題とする製造現場の省人化支援やロボティクスベンチャーの新製品開発支援等、ロボットによる中小企業やスタートアップのイノベーションの実現に取り組んでいきます。

本イベントに関するお問い合わせ
川崎重工業株式会社 ロボットディビジョン マーケティングコミュニケーション課

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ROBO CROSS https://kawasakirobotics.com/jp/blog/story_18/ Mon, 27 Feb 2023 01:26:00 +0000 urn:uuid:c6f977a7-f707-4118-8940-53166ea9717c 川崎重工は、総合ロボットメーカーとして、ロボット本体を提供するだけではなく、インテグレーションを効率化するソリューションを新たに提案いたします。ロボットの社会実装を加速し、ロボットが社会の様々なシーンのデータを取得し社会全体のデジタル化の推進力となることを目指し、最終的にはこれまでになかった価値をエンドユーザーに提供するイノベーションプラットフォーム「ROBO CROSS」を立ち上げます。

Kawasaki Roboticsが創り出す新しいロボットの世界。そのキーとなるのがKawasaki Robot Digital Platform「ROBO CROSS」です。
ロボットディビジョン長 髙木自ら「ROBO CROSS」の概要とKawasaki Roboticsが作り出す新しい世界像について語ります。

ロボットで社会課題を解決するために

これまで川崎重工のロボット事業では、製造業を中心に自動化・省人化のソリューションをご提案してまいりました。一方で、世界では依然として多くの社会課題が存在しています。これらの社会課題をどのようにしてロボットで解決していくのか。
川崎重工はさまざまな課題に精通している企業と協力することで、ロボットの活用領域を拡大させ、更にロボットが収集するデータを活用することで社会課題の解決に貢献します。それを実現するためのプラットフォームの構想、それがKawasaki Robot Digital Platform ROBO CROSS です。

ROBO CROSSが実現する「ロボットのある未来」

ROBO CROSSが持つ2つの役割(①ロボットシステムのインテグレーション効率化 ②データ活用による新たな価値創造)を、ユースケースで説明します。

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【ROBO CROSS】ロボットで社会課題を解決するために https://kawasakirobotics.com/jp/blog/story_19/ Mon, 27 Feb 2023 01:25:47 +0000 urn:uuid:ea5d321d-235a-4eac-85ff-71ca777d5b5d

これまで川崎重工のロボット事業では、製造業を中心に自動化・省人化のソリューションをご提案してまいりました。一方で、世界では依然として多くの社会課題が存在しています。これらの社会課題をどのようにしてロボットで解決していくのか。
川崎重工はさまざまな課題に精通している企業と協力することで、ロボットの活用領域を拡大させ、更にロボットが収集するデータを活用することで社会課題の解決に貢献します。それを実現するためのプラットフォームの構想、それがKawasaki Robot Digital Platform ROBO CROSS です。

「ROBO CROSS」構想とは?

「ロボットシステムを効率的に生み出すオープン開発環境」「ロボットが収集したデータから価値を生み出すデータ活用基盤」2つの機能を有するプラットフォームです。

ロボットシステムのインテグレーション効率化

データ検索

ロボット、周辺機器、システム設計のリファレンスデータを共有

仮想試運転

デジタル空間でロボットシステムを構築し、様々な条件で検証

実機システムへの反映

仮想試運転済みのデータを実機へダウンロード、立上げ調整を短縮

ロボットに関連する様々なデータを共有し、デジタル空間で効率的にロボットシステムを開発できる環境を提供します。ここで開発したシステムを実機にそのまま移行できるように、便利な機能を準備していきます。

各パートナーが自社の得意とする分野のアプリケーションを開発し、そこで生まれた技術(ソフト・ハード)がプラットフォームに蓄積されます。
このプラットフォームに参加するパートナーが多くなるほど、強みを発揮する仕組みです。

データ活用による新たな価値創造

  • ロボットの作業状況や周辺環境のデータを収集
  • 他社プラットフォームとも連携
  • ロボットシステムの継続的な進化や、全体効率の向上に活用

ロボットがセンサーとなってデータを収集することで、ロボットシステムやその前後工程の改善が可能になるだけでなく、ユーザ独自の新たな価値創造につなげていきたいと考えています。

ROBO CROSSの実現に向けて

ロボットデジタルプラットフォームの実現に向けて 川崎重工では多くの取組みを開始しています。

K-AddOn

ロボットと周辺機器の接続を容易にするため、機器メーカーと連携して、マニュアル、ソフトウェア、アプリケーション事例を提供します。

Point

  • カワサキで接続確認まで実施しているので安心
  • 接続のための部品やソフトの設計が不要
  • 適用動画で使い方を確認
OLP

PC上のシミュレーション環境でロボット教示プログラムを作成して動作確認するツールです。現地でのロボットの教示時間を短縮することができます。

Point

  • 正確な動作軌跡、タクトタイムをシミュレーションで再現
  • 干渉チェック、レイアウト検証、複数ロボットの動作確認
  • 複雑なワーク形状に沿ったティーチングも簡単
K-COMMIT カワサキロボット安心ライフサイクルサポート

ダウンタイムゼロに向けて点検、管理、分析、提案、メンテナンスを一貫して実施する正確かつ経済的なサービスパッケージ。ロボット設備の状態に応じて最適なメンテナンスプランを提案し、ライフサイクルコストの最適化に貢献します。

Point

  • TREND Manager(予知保全ツール)により、ロボットのダウンタイムを低減
  • 傾向管理定量点検(点検結果の数値化)により、ロボットの状態を正確にお知らせ
  • K-CONNECT(コミュニケーションツール)により、お客様とのつながりを強化

関連リンク

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【ROBO CROSS】ROBO CROSSが実現する「ロボットのある未来」 https://kawasakirobotics.com/jp/blog/story_20/ Mon, 27 Feb 2023 01:25:43 +0000 urn:uuid:d07c6f65-4d2a-447a-a39e-c69ec08e1b28 ROBO CROSSが持つ2つの役割(①ロボットシステムのインテグレーション効率化 ②データ活用による新たな価値創造)を、ユースケースで説明します。

USECASE

  • ロボットシステムのインテグレーション効率化
  • データ活用による新たな価値創造(例:製造現場、飲食店、ヘルスケア分野、物流分野)

ロボットシステムのインテグレーション効率化

ー データ検索(例えばグリッパの選定の場合)

従来のシステムアップ

対象ワークに応じて様々なハンドを選定あるいは設計、
実機にて試行錯誤

ROBO CROSS

豊富なデータベースから、実績ベースで検索

ー システム全体の設計

従来のシステムアップ

ロボットと周辺機器の連携動作調整を実機で長時間実施

ROBO CROSS

過去実績の中から類似するシステムを検索することで設計を効率化。仮想空間でシステム全体の動作を確認

このようにROBO CROSSでは、データや仮想空間を活用することで、ロボットシステムのインテグレーション効率化に大きく貢献し、これまでシステムアップに要していた手間や時間を大幅に削減することができます。

データ活用による新たな価値創造

ー 製造現場のユースケース

  • ロボットが生産ラインの情報を収集
  • エラー発生時に遠隔で原因究明や復旧をサポート
  • 複数の現場を統合的に管理
  • 継続的に生産ラインの改善を提案

ー 飲食店のユースケース

  • ロボットがオーダー情報を収集
  • 次のオーダーを予測して料理の下準備
  • こまめに食材を管理することでフードロスを低減

ー ヘルスケア分野のユースケース

  • ロボットが一人一人の健康状態を収集
  • 遠隔診察をサポート
  • 介護サービスと連携して健康状態に合わせた食事をロボットが配達
  • 健康維持に最適なコースを計画して、ロボットが一緒に散歩

ー 物流分野のユースケース

  • ロボットが個々の荷物の状態を収集
  • 倉庫管理システムとの連携でスペースの有効活用
  • 物流管理システムとの連携で荷物を詳細にトラッキング

このようにROBO CROSSに収集されたデータを活用することで、全体最適化や個々の状況に応じた細やかな対応など、最終ユーザーにとって有益なサービスを提供することができます。

関連リンク

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【Robust Humanoid Platform】人共存型ヒューマノイドロボット「RHP Friends」 https://kawasakirobotics.com/jp/blog/story_21/ Mon, 27 Feb 2023 01:24:11 +0000 urn:uuid:a473f718-272b-46b8-8176-4c8214572611 2015年に開発を開始して以降、さまざまなバージョンアップを繰り返してきた川崎重工のRobust Humanoid Platform(以下RHP)Kaleido。早期にKaleidoで培った技術を社会に還元するため、現在Kaleidoから派生した2つのロボット開発を進めています。それがスリム型ヒューマノイドロボット「Friends」と四脚歩行ロボット「Bex」。2つのロボット開発に踏み切った真意とは? 開発責任者である掃部 雅幸氏(工学博士)に聞きました。

人共存型ヒューマノイドロボット「RHP Friends(以下Friends)」

ー 「RHP Friends」の開発に至った経緯を教えてください。

川崎重工では、産業技術総合研究所と日本のヒューマノイドロボットの技術向上のため共同研究を進めています。日本の産業に役立つヒューマノイドロボットとはどのようなものか。

私たちはKaleidoの社会実装例の1つとして災害救助の現場を想定していましたが、より早く社会実装につながる現場として工場も考えられます。工場の中でも量産品の製造ではなく、高付加価値の商品を組み立てるような作業。これにヒューマノイドロボットが利用できるのではないか。

そういった現場では現状、人が狭い場所で体をくねらせながら作業をしていたりします。また作業場所に辿り着くまでに細い通路を通らなくてならないこともあります。ただ、その作業自体はネジ締めのような地味で簡単な作業。そんな場合、作業だけ見れば人よりもロボットの方が得意です。

ただしそういった場所で作業するためにはヒューマノイドロボットは細い型でなくてはなりません。柔軟で、人と一緒に働くための安全な設計がされていて、万が一倒れても周囲の装置を壊さない。力はあるに越したことはないけれどそこまでは必要ない。そういったロボットであれば、飛行機のエンジンやガスタービン、化学プラントのような場所でも活躍する場があるはずです。

これまで、私たちが開発していたKaleidoが目指していたのは強靭さやパワーでした。そこで、細い機体で狭いところも通れる、かつ周囲の人から見ても優しいデザインのロボットを開発しようとしたことが、Friendsのプロジェクトのはじまりです。

ー KaleidoからFriendsへ受け継がれている点や、逆に異なる点を教えてください。

川崎重工の50年にわたる産業用ロボットのノウハウや設計思想は、もちろんKaleidoだけでなくFriendsにも受け継がれています。またKaleidoの設計技術も踏襲しています。

異なる点はまずスリム化です。そのために、高品質でかつ小さいモーターを使用して、軽量化しました。Kaleidoの重さが80kg程度あるのに対して、Friendsの重さは55kg程度。また小さいモーターだからFriendsの細い体にも入れることができます。身長もKaleidoが180cm程度なのに対して160cm程度と小柄です。

スリム化は目指さなくてはいけませんが、川崎重工は産業用ロボットメーカーとしての矜持があるからこそ、すぐに壊れるものは作れない。スリム化をしながらも産業用として使える品質を担保する、ぎりぎりのバランスを追求したのがFriendsです。

また、人と協働することを想定していますので、人が近づいたときに手を挟まないなど、人協働ロボットとしての考え方が導入されているのもFriendsの特長です。

ー デザインも周囲に怖さを感じさせないものになっていますね。

はい、そうですね。人と協働するときにという話ももちろんですが、今後、人間がロボットに求めるのは決して労働だけではないと考えています。

例えばAIが今後進化していったときに、AIと「この花きれいだね」なんて会話をしても、AI単体では一緒に出かけることはできません。

でもAI搭載のヒューマノイドロボットが人と一緒に生活する。そんなシーンがもしかしたら労働よりも早く訪れるのではないかとも思っています。外観や顔の表情など、人に受け入れられるということをFriendsではかなり意識をしています。

ー FriendsはiREX(2022国際ロボット展)で初披露されます。展示の見どころを教えてください。

介護現場での実用化を想定して、Friendsが車椅子を押して、高齢者の方とお話するというデモンストレーション。そして、Friendsがステージに登場して、歌いながら踊るエンターテイメントの演出を用意しています。
エンターテイメントのデモンストレーションでの技術的なポイントはモーションキャプチャの技術です。事前に人間が動いて見せると、その動きをロボットが再現するのです。

これまではパソコン上でプログラミングをすることで、ロボットを動かしていました。しかし、その作業が不要になり、直感的にティーチングを行うことができるようになります。今回はFriendsの動きを見ていただきたくてダンスを選びましたが、モーションキャプチャによるティーチングはさまざまな場面で利用可能です。

四脚歩行ロボット「RHP Bex(以下BEX)」

ー こちらも今回初披露になる「RHP Bex」。開発の経緯について教えてください。

私たちはKaleidoの開発を通じて、二足歩行ロボットの難しさを感じていました。ヒューマノイドロボットは人間と同じ形だからこそ、究極的には人ができることはすべてできる可能性がある、汎用性の高いものです。ただ、その実用化には長い期間がかかるでしょう。

一方で、私は、車輪で動く自走式サービスロボットのNyokkeyも開発していますが、約1年ほどで実証試験のフェーズまで至りました。短期間で開発することが出来ましたが、やはり不整地を移動するには車輪ではなく脚が適しています。そこで、ヒューマノイドロボットとNyokkeyのちょうど中間の領域。ここにもビジネスがあるのではないかと考えたのです。

そこで開発をはじめたのが四脚歩行ロボットのBexです。ヒューマノイドロボットの開発で培った歩行技術は四脚歩行ロボットにも必ず活かすことができると考えています。

ー Bexはどのようなシーンで利用されるのでしょうか。

まずは、建築現場で資材を運ぶなどの軽可搬を想定しています。100kg可搬を目標に現在開発を進めています。

あとは検査ですね。広大なプラントの中で、計器が今どのような状態か、Bexがぐるっと見回りをして、遠隔でカメラから映像を確認するという使い方もできます。農地で人が収穫した作物をBexが運ぶ、なんて使い方も可能です。

川崎重工は、このBexもヒューマノイドロボットの1つと位置づけて開発を進めています。四脚で歩くロボットは既に存在していますが、ヒューマノイドとして腕を持つ四脚ロボットは多くありません。ここに、ヒューマノイドロボット開発を続けてきた川崎重工が四脚ロボットに取り組む意義があると考えています。

一方で、ベースはヒューマノイドロボットとしながらも、Bexの上半身は固定のものはなく用途に応じて適応していくことも考えています。建築現場ならば建築メーカーと、プラントならばプラントメーカーとパートナーシップを結び上半身はお任せする。川崎重工は下半身の四脚に注力していき、オープンイノベーションプラットフォームとして提供していきたいと考えています。

ー iREXでのBexの展示の見どころについてお聞かせください。

Kaleidoの体重が80kg。その80kgを支える2本の足が4本ついているわけですから、Bexは本来160kgを支えるポテンシャルを秘めています。そこでBexの上に人間が乗るというデモンストレーションを想定しています。iREXでは是非、Kaleidoだけでなく、兄妹であるFriendsと、Bexにも注目していただければと思います。

関連リンク

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【Robust Humanoid Platform】7代目Kaleidoはどこが違うのか? https://kawasakirobotics.com/jp/blog/story_22/ Mon, 27 Feb 2023 01:24:05 +0000 urn:uuid:3c23908c-3b7a-41b9-a54e-99ef8c544e95 半世紀以上にわたり、産業用ロボットを作り続けてきた川崎重工の技術を結集したヒューマノイドロボット「Kaleido」。2015年に開発を開始して、2017年に初代を発表。以降、バージョンアップを続け、7代目となるRHP(Robust Humanoid Platform)7がiREX(2022国際ロボット展)で披露されます。最新のKaleidoの見どころを開発責任者である掃部 雅幸氏(工学博士)に聞きました。

Kaleidoとは

「Kaleido」は、川崎重工が研究・開発を行うヒューマノイドロボット(人型ロボット)。 産業用ロボット分野で50年以上の歴史を持つ川崎重工業の技術を活かした高い耐久性を備えており、大人とほぼ同じ体格を持ちながらも、“転んでも壊れない”堅牢な構造が特徴。将来的な実用化を目指している。身長180cm、体重は80kg。

7代目Kaleidoはどこが違うのか?

ー 7代目Kaleidoのバージョンアップのポイントについて教えてください。

これまでのバージョンでは、まずKaleidoで2足歩行を実現することを目指していました。それには成功したものの、一般の方がヒューマノイドロボットに要求するレベルは人と同じように自然に動作すること。旧来のKaleidoでは、まだそのレベルには至っていませんでした。

私たちが今回のKaleidoのアップデートで追求してきたのは、「人間のように歩く」「人間のように動作する」という部分です。今回、iREXでは、RHP7の自然で速い動きに注目していただきたいです。

ー 人間のように歩く、動作するというのは、具体的にどういうことでしょうか?

2足歩行ロボットは工学の理論上、膝を曲げながらしか歩くことができません。でも、人間は膝を伸ばして簡単に歩くことができますよね?また、人間は踵から着地して、つま先を蹴って歩きます。これも当たり前のようですが、剛体でできたロボットの足で行うのはなかなか難しい動作です。

こういった制約の中で、私たちは人間の平均的な歩行速度である時速4kmでKaleidoを歩行させることに成功しました。RHP7の歩行を見ていただければ、これまでよりもスムーズに歩行していることを実感いただけるはずです。

この速く歩くということを実現している背景に「動的動作対応」という技術があります。対義である「静的動作対応」は2本足で立っているときにも必ず重心が体の中心にあり、歩くときもゆっくりバランスをとりながらになります。一方で、「動的動作対応」では、重心が自分を支えている足からずれるような動きを積極的に行うことができる。不安定な状態を制御で安定化させて、より人間に近い動きを実現するのです。

失敗をするためのロバスト性

ー 開発にあたってのポイントを教えてください。

まず、1つには先ほどお話した不安定な状態を安定化させるための制御技術。不安定な状態で動作をするためには、まずどのような不安定化が起こるかを予測しなければならず、その不安定を素早く制御して安定化させる作業が必要です。その制御に要求される技術が格段に上がりました。

また、これらの開発は失敗を繰り返しながらの地道な作業になります。開発のプロセスで何度もロボットが倒れるのに対して、壊れない機体がとても重要です。もともとRHPはロバストヒューマノイドプラットフォーム(Robust Humanoid Platform)の略称。ロバストとは「屈強」「堅牢」などの意を表します。元来壊れにくい構造ではあるのですが、それでも積極的にバランスを崩すような実験を繰り返せば、機体にダメージを負うこともあります。それゆえ、さらなる壊れにくい機体への改良もまた必然でした。

ヒューマノイド技術を向上させるオープンプラットフォームへ

ー より人間の動きに近づいたKaleidoですが、iREXにおける展示の見どころを教えてください。

私たちが最終的に目指すのはヒューマノイドロボットの社会実装です。そのため、今回はKaleidoに労働をさせるとどうなるのか。実際の危険作業を想定した展示を行っています。

1つは建設現場を想定した高所作業です。現状、高所作業は人によって行われています。命綱をつけてはいても、やはり危険を伴う作業です。そういった作業はロボットにやってもらいたいものですよね。今回の展示ではKaleidoを吊り上げて、ふらふらと揺れている状況で、作業を行います。

もう1つの展示ではKaleidoが平均台に上ってバランスを取りながら歩きます。そこでぴょんと飛んだりと、先ほど申し上げた「動的動作対応」をわかりやすくお伝えします。

今後、Kaleidoは川崎重工だけでなく他の多くの大学や企業と連携しながら開発・社会実装を進めていきたいと考えています。プラットフォームとしてヒューマノイドロボットの技術を向上していける仲間であれば、国内外問いません。研究者の皆さんには、是非「動的動作対応」でKaleidoの持つ可能性を感じていただければと思います。

ロボットのオープンイノベーション空間
YouComeLab

ロボット開発の課題

労働人口減少、コロナ禍など、ロボットの社会実装が求められています。一方で、ロボット開発には、費用、付帯設備、トラブルサポート、修正など、さまざまな壁があります。ロボットメーカーではない企業の開発は難しく、ロボットメーカーへ試作を依頼しても改良のためのデータが得られないなどの課題がありました。

YouComeLab ーカワサキロボットで、気軽に、手軽に、新技術・新商品開発ができる空間

川崎重工は、AI・機械学習、先進センサ・先進制御、先進素材など、さまざまな専門領域を持つ機関とのオープンイノベーションの場として、YouComeLabを設立します。

YouComeLabには、ヒューマノイドロボットのKaleidoのほか、遠隔協調システムのSuccessorなど、川崎重工のロボットを設置予定。これらのロボットを利用して、企業や大学などの各機関が自ら開発を試みることができます。

YouComeLabの特長

ロボット・設備の利用:無料
立ち上げ・トラブル時:常駐スタッフが対面レクチャー
高度なシステム:川崎重工と共同トライ

明石工場内では2021年4月から稼働中、東京(羽田)で22年4月から開設予定、名古屋(長久手)にも22年度中に設置する予定です。そして今後はシリコンバレー、北京、パリなどの海外拠点も設置したいと思ってます。川崎重工は人間とロボットが共存・共栄する社会の実現のため、さまざまなパートナーとの共創を推進していきます。

関連リンク

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【Robust Humanoid Platform】 https://kawasakirobotics.com/jp/blog/story_23/ Mon, 27 Feb 2023 01:24:00 +0000 urn:uuid:fdd96749-52ce-43ff-8add-5d6a523c9920 人に最適化された環境で、人と共に作業を行い、人の代わりに危険な作業やきつい作業を行うためのヒューマノイドロボット開発が進んでいます。

7代目Kaleidoはどこが違うのか?

半世紀以上にわたり、産業用ロボットを作り続けてきた川崎重工の技術を結集したヒューマノイドロボット「Kaleido」。2015年に開発を開始して、2017年に初代を発表。以降、バージョンアップを続け、7代目となるRHP(Robust Humanoid Platform)7がiREX(2022国際ロボット展)で披露されます。最新のKaleidoの見どころを開発責任者である掃部 雅幸氏(工学博士)に聞きました。

人共存型ヒューマノイドロボット「RHP Friends」

2015年に開発を開始して以降、さまざまなバージョンアップを繰り返してきた川崎重工のRobust Humanoid Platform(以下RHP)Kaleido。早期にKaleidoで培った技術を社会に還元するため、現在Kaleidoから派生した2つのロボット開発を進めています。それがスリム型ヒューマノイドロボット「Friends」と四脚歩行ロボット「Bex」。2つのロボット開発に踏み切った真意とは? 開発責任者である掃部 雅幸氏(工学博士)に聞きました。

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物流ソリューション https://kawasakirobotics.com/jp/blog/story_17/ Mon, 27 Feb 2023 01:22:05 +0000 urn:uuid:ff54fd24-1bc2-4057-8fbf-dae12a664812 新型コロナウイルス感染拡大により、爆発的に取扱量が増加した物流業界では、倉庫を中心に自動化が急速に進んでいます。川崎重工はロボットアームの汎用性に無軌道の無人搬送車による機動性を掛け合わせ、自動倉庫への入荷・出荷工程など物流の自動化・最適化をご提案いたします。

物流自動化の“入出庫の壁”に挑む

近年、EC市場の拡大などを背景に、物流業界では労働力不足が深刻化。物流の省人化・自動化は喫緊の課題となっています。

物流の省人化・自動化と言えば、輸送・配送に焦点が当たりがちです。しかし、サプライヤー、流通センター、エンドユーザーという一連の物流プロセスの中で、多くの人手を要しているのが倉庫への荷卸し・ピッキング・パレタイズの工程です。

川崎重工は「倉庫の省人化・自動化」を実現するためのソリューションを提供することで、近未来モビリティにおける輸送と合わせて、物流の自動化を目指します。

「倉庫自動化」のボトルネック

近年、物流業界は「自動倉庫」により、急速に自動化が進んでいます。一方で自動倉庫の前後工程となる、荷卸し・ピッキング・パレタイズの工程は、依然として人手で行われています。

川崎重工の物流ソリューション

01.荷卸し工程の自動化

従来の荷卸し作業における課題

荷卸しの工程にあたっては、トレーラーから運ばれてきた荷物をコンテナから卸して、積み替える必要があります。これまで、なぜこの工程が自動化されてこなかったのか?そこにはコンテナ内の荷物の積み方に問題があります。

コンテナ内では、荷崩れしないように、形状や大きさが異なる様々な段ボールが積まれています。そのため、機械がそれらの段ボールを把持して、積み替えるには難易度が高いものになっていました。

これまではコンテナ内部に人が入り、ベルトコンベヤに荷物を載せたり、フォークリフトで荷物を積み直したりという作業が発生していました。

川崎重工が提案する荷卸し工程のソリューション
Vambo(バンボ) 荷卸し・荷積みロボット

ロボットアームと無人搬送車(AGV)を組み合わせた荷卸し・荷積みロボット。幅広い可動範囲と大きな可搬重量をあわせ持つ、垂直多関節ロボットアーム、周囲の環境を認識するビジョンセンサー、そしてロボットアームをコンテナ内の作業位置まで搬送する無軌道の無人搬送車(AGV)が特徴。

川崎重工による荷卸し工程の自動化
Vamboがコンテナ内まで自走すると、ビジョンセンサーで段ボールの形状を認識。ちりとりのような形状のハンドと垂直多関節ロボットアームでさまざまな形状や大きさの段ボールをピッキング。そのままベルトコンベアに載せることができます。コンテナから荷卸しされた荷物は、ベルトコンベヤの終点部で待つパレタイズロボットによって、フォークリフト用のパレットに移し替えられていき、荷卸し完了。川崎重工はこれら一連の作業をすべて自動化することができます。

02.ピッキング工程の自動化

従来のピッキング作業における課題

「自動倉庫」からプラコンと呼ばれる箱で荷物が自動的に送られてきます。プラコンから荷物を取り出し、発送用の段ボールの組み立て・梱包作業といった発送先ごとに詰め替える作業は、人手によって行われています。

川崎重工が提案するピッキング工程のソリューション
duAro2(デュアロ2) 双腕スカラロボット

人と同じ空間での共存、協働作業が可能な双腕スカラロボット。人一人分のコンパクトな設置スペースで作業ができ、コントローラを内蔵したキャスター付きの台車により、簡単に移動・設置も可能。双腕を活かして、さまざまな形状・大きさの荷物をピッキング、詰め替え作業が可能です。

RS013N 6軸垂直多関節ロボット

垂直多関節ロボットならではの3次元的な動作が特徴のRS013N。

川崎重工によるピッキング工程の自動化は、RS013Nが段ボール箱を組み立て、duAro2がプラコンから段ボール箱への梱包作業といった、これまで人手で行われたピッキング、梱包の工程を自動化します。

03.パレタイズ工程の自動化

従来のパレタイズ作業における課題

最後の工程が、荷物が詰められた段ボール箱をパレットに積み込むパレタイズと呼ばれる作業。重量物を迅速かつ安定的に積む必要があり、人手で行う作業では大きな負担を強いられていました。

川崎重工が提案するパレタイズ工程のソリューション
CP180L パレタイジングロボット

業界最速の処理能力を誇る川崎重工の高速パレタイジングロボット。食品、薬品、印刷物など様々な業界の多様なニーズや多品種少量化の生産に対応します。

川崎重工が提案するパレタイズ工程の自動化
コンベヤから送られてきた段ボール箱をRSシリーズのロボットアームで所定の場所に整列。整列された段ボール箱をパレタイジングロボットが迅速かつ正確に掴み、パレットへ適切に積み上げていきます。

これまで多くの人手を要していた物流プロセスの「荷卸し」「ピッキング」「パレタイズ」。川崎重工はこれらの「自動化・省人化」に取り組むことで、サプライチェーンの効率化に寄与していきます。

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【近未来モビリティ】 https://kawasakirobotics.com/jp/blog/story_15/ Mon, 27 Feb 2023 01:21:00 +0000 urn:uuid:7289d861-8873-4757-9ac7-605cb19b4749 「近未来モビリティ」では、川崎重工が手掛ける幅広い技術の中から、ロボティクス・モビリティ・航空技術を組み合わせ、新規に開発を進めているVTOL無人機や配送ロボットを活用した未来の輸送システムの可能性をご紹介いたします。

物流業界における人手不足

少子高齢化の進む日本では、労働人口不足が深刻な社会課題になりつつあります。ある推計では、2030年に7,073万人の労働需要に対し6,429万人の労働供給と予測されており、「644万人」の人手不足が起こるともされています(出所:パーソル総合研究所・中央大学「労働市場の未来推計2030」)。

物流の領域においても運送業の高齢化は年々進み、近年はネットショッピングの拡大により、宅配便取扱数も急増。将来的な人手不足が見込まれています。また、配送業者の長時間労働も問題視され、「人手は不足する一方で仕事量は増え、さらに労働環境が悪化していく」という悪循環は、これからますます深まっていくと懸念されています。

「近未来モビリティ」とは?

従来の「人の移動手段、乗り物、交通システム」などを意味するモビリティに「無人化」「高い走破性」「ロボットアーム」などの川崎重工の持つテクノロジーをかけ合わせ、新たな価値を創出する。それが川崎重工の考える「近未来モビリティ」です。これまで人手で行われていた物流の無人化のほか、将来的には川崎重工が得意とする航空技術なども採り入れることにより、距離、物量、時間といった物流効率化における生産性を高めていきたいと考えています。

無人VTOL機、配送ロボットが実現するラストワンマイル解決構想

川崎重工が近未来モビリティで実現しようとしている世界の1つが、無人VTOL機(Vertical Take-Off and Landing aircraft)と配送ロボットの“無人物資輸送”によるラストワンマイル*の自動化です。

*ラストワンマイル…配送元から配送先に商品が到達するまでの、最後の接点

無人VTOL機の概要

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無人VTOL機:K-RACER-X1
駆動方式:レシプロエンジン型(Ninja H2R向けスーパーチャージドエンジン)
飛行形態:垂直離着陸方式
制御方式:自動飛行
可搬質量:100 ㎏

もともと山岳地帯における輸送を想定し開発されたK-RACERは、川崎重工のヘリコプターの技術と、モーターサイクルで培った小型ハイパワーエンジンが組み合わされたソリューションです。すでに100kgの運搬能力を達成しており、今後は200kgを目標に開発が進められています。

K-RACERは、荷物の配送元から中継地を経由することなく、配送先の近くまで荷物を運びます。都市部や自然災害発生時の渋滞に影響されることなく、より時間通りで正確なデリバリーを実現します。都市部から地方への配送など、移動距離の長い広大な配達エリアでのデリバリーでもK-RACERは活躍します。

配送ロボットの概要
配送ロボットの特長
  1. 無人自律走行 周辺の環境を認識し、最適なルートで無人で走行可能
  2. 高い搬送能力 高い搬送能力により、効率的コストで輸送実現
  3. 軽量設計 人の手で簡単に押すことができ、軽々と持ち上げることも可能
  4. 走破性 優れた走破性により、段差の多い公道や未舗装道路での走行も可能
  5. リモートコミュニケーション モニターやカメラを活用して遠隔によるコミュニケーションなどが可能

配送先のラストワンマイルで連携する「配送ロボット」は、川崎重工のロボティクス技術と四輪バギーが持つ走破性を組み合わせたロボットです。モーターサイクル開発で培ってきた小型軽量化技術と、走破性の高い足回り、さらにはロボットで培ったアーム制御と環境認識技術をかけ合わせ、配送のみならず荷物の受け渡し・軽作業も行えるよう開発を進めています。

無人物資輸送の実現に向けた取り組み

すでに川崎重工では、同取り組みの概念実証(PoC)に成功。「荷物を積載した配送ロボットが無人VTOL機に自動で乗り込み、配送ロボットを積載したまま自動飛行、着陸後に配送ロボットが自動で離脱し荷物を届ける」という一連のシーケンスを実施しています。

医療の現場でも活躍する「近未来モビリティ」

他にも、川崎重工の「近未来モビリティ」はさまざまなシーンに広がりはじめています。藤田医科大学病院(愛知県豊明市)におけるスマートホスピタル構想に向けた取り組みの1つとして、川崎重工の配送ロボットを院内のインフラ・ITシステムと連携させ、安全・安心を確保しながら検体・医薬品などの院内の物資搬送に活用することを目指した実証実験をスタートしています。

将来的には院内誘導や買い物代行など活用の幅を順次拡大予定で、2022年度に同病院内での実際の運用を視野に入れ、着々と実証実験を進めていきます。

製造業の枠を超えるロボット「Nyokkey」

これから人口減少時代に入る日本。これまで製造業など一部でしか利用されてこなかったロボットは、今後さまざまな業界で求められることが予想されます。その1つがサービス業界。慢性的な人手不足に加え、コロナ禍により企業の経営環境は厳しさを増しています。サービス業界にロボットを。そのために川崎重工ではサービスロボット、Nyokkey(ニョッキー)の開発を行っています。

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【近未来モビリティ】製造業の枠を超えるロボット「Nyokkey」

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【近未来モビリティ】製造業の枠を超えるロボット「Nyokkey」 https://kawasakirobotics.com/jp/blog/story_16/ Mon, 27 Feb 2023 01:20:57 +0000 urn:uuid:dbe01497-9c4b-4dcd-b360-9123ebee589c

これから人口減少時代に入る日本。これまで製造業など一部でしか利用されてこなかったロボットは、今後さまざまな業界で求められることが予想されます。その1つがサービス業界。慢性的な人手不足に加え、コロナ禍により企業の経営環境は厳しさを増しています。サービス業界にロボットを。そのために川崎重工ではサービスロボット、Nyokkey(ニョッキー)の開発を行っています。

Nyokkeyは自律走行型サービスロボットです。人と一緒に働くことを想定して、人と同じように移動して、2本の腕で作業をします。飲食店における配膳・下膳。見回りによるビルの清掃業務のサポートなど。さまざまなシーンへの適応を想定しています。周囲の人の安全を考慮しながら、軽作業や扉の開閉が可能なパワーに設計されています。

Nyokkeyの特長

LiDAR✕ビジョンセンサーで位置把握

LiDARでレーザーを周囲に照射し、その反射からマップを作成して、自らの位置を把握します。加えて、ビジョンセンサーで物体認識することで人との衝突を避け、安全に自走することができます。

遠隔協調システム「Successor」

遠隔操縦装置であるコミュニケーターを使用し、ロボットの遠隔操縦を可能にする遠隔協調システムSuccessor。自動化が難しい動作を行う場合や、エラーを起こした際に自動運転から遠隔操縦に切り替えることで半自動化を実現し、イレギュラーなシーンにも対応することができます。遠隔操縦で行った動作を記憶させることで、人からロボットへ、ロボットから人への技能伝承を実現します。

自律走行「AMR(Automonous Mobile Robot)」

AGV(Automatic Guides Vehicle)があらかじめ設定したルートを走行するのに対して、ルートの設定をすることなく自律走行が可能なAMR。目的地を設定することで、自ら作成したマップ情報と周囲の環境を元に、最適なルートを判断して走行します。

共創プラットフォームとしてのNyokkey

Nyokkeyはニーズに合わせて適応させていくことを前提としています。サービスロボットに求められる能力や性能は、産業ロボット以上に多岐にわたることが想定されます。川崎重工が開発したNyokkeyシリーズのハードウェアを前提に、さまざまなパートナーと連携しながらニーズに合ったソフトウェアを早いサイクルで開発していく。Nyokkeyはロボットでありながらプラットフォームでもあります。

Nyokkeyの開発ストーリー

Nyokkeyの開発がはじまったのは2021年春。新型コロナウイルスが猛威を振るう中で、入院中の感染患者の見守りロボットとして開発が進められました。初期のNyokkeyは、病室を巡回することで、患者の有無、容態の変化を遠隔で確認可能にするというものでした。

医療従事者の感染リスクを減らし、逼迫していた医療の現場をサポートすることを目的としていたNyokkey。その開発はいち早く進められ、開始から1年足らずで完成。

その後、さらなる改良が進められ、サービス業界で広く利用することを想定された現在のNyokkeyに至ります。

Nyokkeyのユースケース

藤田医科大学病院 |サービスロボットの実証実験

2022年1月、川崎重工は藤田医科大学病院とスマートホスピタル構想の実現に向けた取り組みの1つとして、Nyokkeyの実証実験を開始。

フェーズ1では同一フロア内での検体や医薬品などの院内物資搬送と、人のエレベータ操作補助を前提とした別フロアへの移動が行われました。

フェーズ2となった現在では、自律走行機能・エレベータ連携機能を有したアーム付きロボットによる別フロア間搬送の検証が行われています。

フェーズ3では、多用途アーム付きロボットによる病院内作業と病院側システムとの連携検証が行われる予定です。

羽田イノベーションシティ | ロボットカフェの実証実験

羽田イノベーションシティ内にロボット情報の発信拠点として川崎重工が2022年4月末に開設予定のFuture Lab HANEDA。その中にあるロボットカフェ「AI-SCAPE」において、Nyokkeyがトレーや食器を認識して配膳・下膳を行う検証を実施予定です。

産業用ロボットの世界で50年以上の歴史を有する川崎重工。今後は「AI-SCAPE」で実証を行うサービス業界での適用をはじめ、さまざまな現場にロボットを提供することで、産業ロボットメーカーの枠を超えて、ロボットの社会実装を推進していきます。

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